Canonから、EOS R5が発表になったけど、8Kや4Kでの動画撮影に興味があるけど、動画撮影可能時間はどうなのか不安。詳しく知りたい
という方に向けた記事になります。
そもそもEOS R5って?という方は、ざっと以下のコンセプト動画がお勧めです。2分30秒程度で見れます。
- 4500万画素フルサイズ、
- 手振れ補正でレンズ協調補正で7~8段、
- 連写最大20fps(電子)など、
静止画性能で数多くの目をひく機能がありますが、
動画撮影性能で今、その連続撮影可能時間が話題になっていますので、記事としてまとめておきます。
この記事のポイントは以下です。
■この記事のポイント ・気になる8K/4K動画撮影時間は? ・高解像の4500万画素ボディで動画を撮る2つの問題点 ・レビュー動画 ・口コミ ・おすすめアクセサリー ・まとめ |
【EOS R5】8K/4K動画撮影可能時間と問題点【オーバーヒート問題】
気になる8K/4K動画撮影時間は?
昨日7月17日に、Canon公式サイトの製品情報ページに「より快適な動画撮影のためにおすすめしたいこと」として、動画の連続撮影可能時間が公開されましたので注目です。
デジカメWatchでも取り上げられています。
同じように気になっていた人が多かったからCanon側も対応となったんでしょうね
以下が、公開された撮影設定ごとの、連続撮影可能時間の一覧になります。
EOS R5は、フルサイズかつ高ビットレート出力が可能なセンサーを使用しており、オートフォーカスをしながらの高解像度及び高フレームレートの動画機能を実現しております。そのため、動画撮影中に記録時間を制限する熱を発生することがありますが、CMOSセンサー及びキーデバイスを保護するため、ボディ内部の温度が上昇した場合には、動画記録を停止し、カメラをシャットダウンする仕様になっています。
Canon公式サイト
そもそもなぜ動画撮影では長時間撮影し続けられないの?
動画は静止画とちがって、より多くの情報量を含んでいます。多くの情報量をイメージセンサーで出力し続けると、センサーが熱を帯びてきて、ノイズなどの成分が出て、画質が破綻したり、その熱で他のデバイスがダメージを受けることがあるのでそれを避けるために、自動でシャットダウンするようになっています。
テレビ局や映画撮影で用いられる業務用カメラは、イメージセンサーを冷却するファンが搭載されている場合が多いので、この問題を回避しています。ただ、ファンがついていると当然サイズが大型化します。
高解像の4500万画素ボディで動画を撮る2つの問題点
高解像モデルを動画撮影機として使用する場合は、画質面で一般的に2つの問題点があるとされています。
それぞれ見ていきましょう。
①長時間撮影はピクセルビニング方式にならざるを得ない
そもそも、先の表で同じ4Kでも熱による撮影時間の制限無しと制限があるものが混在するのはなぜ?
海外のサイトでのレビュー記事をもとに説明します。
EOS HDによるレビュー記事によると、
EOS R5には主に3つの録画モードがあるとしています。
簡単にまとめると以下のようになります。
<EOS R5による3つの読み出し方式>
・8k全画素読み出し
・8k全画素読み出しによる4kオーバーサンプリング
・4kピクセルビニング
全画素読み出しとは、イメージセンサーの全部の画素の信号を読み取るということですよね?EOS R5は4500万画素分の信号を読みだしているということですね?
そうです。
オーバーサンプリングについて説明しますね。
4Kで再生しようとすると約800万画素、8Kの場合でも約3300万画素で撮影しておけば映像規格上は十分ですが、あえてイメージセンサーの全画素を読み出して、ソフトウェア的に処理して8Kや4Kなどの解像度に落とし込む(=解像度を下げる)ことで、モアレなどが少なくキレイな画像を録画できるとされており、このことをオーバーサンプリングといいます。
ただオーバーサンプリングを行うためには、高度な信号処理が必要とされ、カメラ側のオーバーヒート問題がつきまといます。
たしかに、先ほどの表では、オーバーサンプリングの記述の無いもののほうが長時間撮影できる仕様になっています
記事によると、4K 30pのモード(クロップ無高画質を除く)はオーバーサンプリングせずに、ピクセルビニング方式で読み出すことでカメラ側への負荷を減らし、長時間撮影を可能にしているとしています。
ピクセルビニング方式とは以下です。
<ピクセルビニングとは>
(上記記事によると EOS R5の場合は)縦横2ピクセル分、2×2で計4ピクセル分を1画素(ピクセル)とみなして、信号処理する方法。多くの画素情報から8Kや4Kなどの規定の画素数に落とし込む際に、オーバーサンプリングと対になって採用される方法の一つです。
オーバーサンプリング方式とは異なり、事前に複数画素の信号情報を1画素情報にしてしまうため、画質面でオーバーサンプリング方式に劣ります。
まとめると、
高解像モデルになると、オーバーサンプリングしようとしても、読み出された画素数が多くなることで、信号処理側の負荷が高くなり、カメラ側のオーバーヒート問題を起こしやすくなります。
よって、長時間撮影を行うためには、オーバーヒート問題を回避するために、ピクセルビニング方式をとる必要がでてきますが、その場合、画質の悪化が懸念されることになります。
②ローリングシャッター歪み現象が発生しやすくなる
ローリングシャッター歪みって何ですか?
ローリングシャッター歪みとは、 動画を撮影する際に、カメラが被写体の画像を読み出す速度よりも被写体が速く動いている時に発生する現象で、画像が歪む現象のことです
イメージセンサーは、上の行から下の行へ一行ずつ、信号を読み取ります。その仕組み上、一番上と一番下の行とでは、どうしてもタイムラグが発生し、こういう現象が発生します。
ローリングシャッター歪みは、以下の動画をご覧ください。
イメージセンサーの画素数が多いと、タイムラグがより発生しやすいから不利ということですね。
はい
ただ、イメージセンサーの読み出し速度などにも影響するため、実際EOS R5のレビュー結果があがってくるのを期待して待ちましょう
レビュー動画
YouTubeでのレビュー動画がいくつかあがっていますので、参考までにリンクを貼っておきます。
以下は英語ですが、ご参考まで。
口コミ
8Kでも撮れますよ、ってだけの自慢機能だったのか
せっかく8Kにしたのにさローテクなパッシブクーリングくらい朝飯前でつけときゃ良かったのに。
あくまでも温度23度でのデータですよね。真夏の炎天下ではどうなのか?引き続き情報収集が必要
というネガな口コミがある一方で、以下のようなポジティブなコメントもあります。
長時間録画は不要な方々も居るし、数時間のライブ撮影などでも問題が冷却時間なら複数台でカバー&充電すれば、ほぼ8kで撮り続けることは出来る。
動画撮影のオーバーヒート問題は懸念していたことなんですが、リストの1番下の4K30pで制限なしなら私としてはまあまあかなとは思います。
商品化された事で4k.8kムービー開発も加速する事でしょう。例え5分であっても4kとは違う映像体験が出来ればとても価値ある商品だと思います
おすすめアクセサリー
動画撮影時の推奨メモリーカードは、 Canon公式サイトによると、以下です。
- 8Kの場合
CFexpressカード1.0 - 4K(ALL-I)の場合
CFexpressカード1.0または
SDメモリーカード、ビデオスピードクラス60以上 - フルHD・HD(ALL-I)の場合
SDメモリーカードUHS-I、UHSスピードクラス3以上
CFexpressカード1.0が必要になってきます
EOS 1DX MarkIIIのRAW動画撮影可能な動作確認済みカードとしても挙がっていた、 Prograde Cobalt 325GB であれば、問題ないと思われます。
ただ、256GBの容量で8K RAWだと13分、All-Iで26分までの撮影可能時間なようなので、お仕事で使う場合は複数枚必要かと思います。
合わせてリーダー・ライターも購入必要です。
バッテリーも以下のスペックからみると、予備が合った方が安心です。
EOS R5 スタミナ性能
静止画
常温(+23℃)約220枚/低温(0℃)約200枚
※フル充電のバッテリーパックLP-E6NH使用、ファインダー、[なめらかさ優先]設定時
動画
常温(+23℃)合計約1時間20分
※8K RAW動画、動画サーボAF:しない、フル充電のLP-E6NH使用時
そして外出時など、モバイルバッテリーでUSB充電・給電する必要が出てきたときに備え、PD-E1も必須とおもいます。
まとめ
8Kという強力な動画機能を搭載したEOS R5ですが、
やはり高解像モデルということでオーバーヒートには弱く、8Kでは最大20分程度と、大きく制限がかかることがわかりました。
熱による制限がない撮影設定は4K 30pに限られるようですが、オーバーサンプリングではなく、ピクセルビニングのため、画質面が気になるところです。
あとは、4500万画素と高解像であることから、ローリングシャッター歪みがどの程度出るか、今後のレビューに注目です。
また、Sonyからもα7S IIIの事前情報が公式に出ています。
こちらもどういった性能を搭載してくるか、注目です。