ソニーから、フラグシップ機「α1」が発表になったけど、キヤノンのEOS R5と何が違うか主な仕様の違いを知りたい
という方に向けた記事になります。Canon ミラーレスの最上位機『EOS R5』とSonyがαシリーズで初めて”フラグシップ”と冠した新モデル『α1』。どちらの性能がどうなのか、整理してみます。
なお、この記事では動画以外について整理しておきます
(動画は動画で別記事にて)。
■この記事のポイント - 画質面 - AF、連写性能 - ファインダー - インターフェース面 - その他 - EOS R5が優位な点 |
【どっち!?】ソニーα1とキヤノンEOS R5【頂上対決】
以下が公式動画です。
約5分と長いですが、商品のポイントが網羅されています。
画質面
αシリーズでは、これまでα9系にしか搭載されていなかった、メモリー内蔵の積層型CMOSセンサーが本機に搭載です。それにより、8K対応や連写性能の進化ができているようです。
しかもα9系の24Mから、50Mに大幅解像度があがっているのが特長です。
EOS R5のイメージセンサーは、積層型や裏面照射型ではないのですか?
製品ページ上で明記されていませんが、デジカメWatchの記事によると、そのいずれでもないとされています。よって、通常の表面照射型と思われます。
イメージセンサーは裏面照射型CMOSですか? それとも積層型CMOSですか?
デジカメWatchの記事
裏面照射型CMOSでも、積層型CMOSでもありません。
整理すると、以下になります。
ソニーα1 | キヤノンEOS R5 | |
センサーサイズ | フルサイズ | フルサイズ |
センタータイプ | 積層型 | 表面 |
画素数 | 5010万画素 | 4500万画素 |
画像処理エンジン | BIONZ XR | DIGIC X |
AF・連写性能
α1は50Mの高解像にかかわらず、AFやAEが追従しながらの”30コマ連写”というのが特長ですね。
ソニーα1 |
キヤノン EOS R5 |
|
連写性能 (AF/AE追従) |
~30コマ/秒(電子) ~10コマ/秒(メカ) |
~20コマ/秒(電子) ~12コマ/秒(メカ) |
連写時LV性能 | ブラックアウトフリー | 再生view |
ブラックアウトフリーとは何でしょう?
連写するときに、一眼レフでは、ファインダーが黒になる(ブラックアウト)場面が入りますが、それがないため、常に被写体を見ながら連写できるのが特長です。EOS R5は、一眼レフではないので、ブラックアウトは発生しないものの、再生画面が連写時に残るため、常にライブビューで被写体を追うことが出来ない、というのがポイントです。
ただ、 30コマ/秒連写ではJPEGで約165枚までとあるので、連写可能時間は5秒程度と限られています。
また、30コマ/秒連写が出るのは純正レンズの特定のものになるため、その点も要注意ですね。
リアルタイム瞳AFの認識被写体に、「鳥」が新たに追加されました。
EOS R5は動物の対応種の中に犬、猫、鳥とあるのに対して、α1は鳥だけ独立しています。独立しているだけあってその精度が高いのかどうか、など今後興味がわくところです。
ファインダー
地味に最近のソニーはファインダーに力を入れてきています。
今回α1でEOS R5の解像度、倍率、そしてフレームレートを圧倒してきています。
ソニーα1 | キヤノン EOS R5 | |
ファインダー解像度 | 944万ドット | 576万ドット |
アイポイント | 約25㎜ | 約23mm |
ファインダー倍率 | 約0.90倍 | 0.76倍 |
フレームレート | 60/120/240fps | 60/120fps |
240fpsってどんな感じでしょうか?スポーツなどの一瞬のタイムラグが命とりの撮影に威力を発揮しそうです。
EVFとOVFの垣根もほとんど無くなってきているのかもしれません。
インターフェース
HDMI Type A
α1はプロの使用を想定されており、HDMI端子もType Aに対応となっています。
Type Dではいつ抜けるか頼りなく感じるので、これは安心ですね。
また、有線LAN端子も搭載されている点にも、プロユース感を感じますね。
ソニーα1 | キヤノン EOS R5 | |
LAN端子 | 〇 | ー |
HDMI端子 | Type-A | Type-D |
CFexpress TypeA
α1は、CFexpress Type AとSDカードの両方に対応です。EOS R5は、CFexpress Type BとSDカードに対応です。
CFexpress Type AはType Bよりも上限容量や、スピード面で劣るものの、サイズがコンパクトな点が優位です(値段も高めではあります)。
ソニーα1 |
キヤノン EOS R5 |
|
記録メディア |
SD XC UHS-II/ CFexpress type A |
SD UHS-II/ CFexpress type B |
その他
フリッカーレス機能
α9IIではメカシャッターでフリッカーレス対応となっていましたが、α1ではメカに加え、電子シャッターでもフリッカーレスに対応しました。
ソニー α1 |
キヤノン EOS R5 | |
フリッカーレス機能 |
対応 |
対応 (電子シャッター非対応) |
屋内撮影をする頻度の高い方には、かなり朗報ではないでしょうか?
フラッシュ同調1/400秒
メカシャッターで1/400秒という世界最高速の同調速度と、電子シャッターで1/200秒ができるようになっています。
ソニーα1 |
キヤノン EOS R5 |
|
フラッシュ同調 |
メカ~1/400秒 電子~1/200秒 |
メカ~1/200秒 |
EOS R5のほうがお勧めな点
高感度性能
静止画における上限ISO感度が、EOS R5のほうがISO 51200とα1を上回っています。
実際の撮影結果はどうなのか、この点は今後出てくるであろうレビュー結果を待ちたくおもいます。
ソニーα1 | キヤノンEOS R5 | |
ISO感度 静止画 | ISO100~32000 | ISO100~51200 |
ISO感度 動画 | ISO100~32000 | ISO100~25600 |
拡張ISO感度 | ISO50~102400 | ISO50~102400 |
また、AFの低輝度限界性能もR5の方が上です。EOS R5のほうがより暗いところでもピントが合うということですね。
ソニーα1 | キヤノンEOS R5 | |
AF 低輝度検出限界 | -4EV(F2) | -6EV(F1.2) |
測定基準のレンズの明るさがEOS R5のほうが少し有利なものになっていますが、条件を揃えてもα1よりは暗所でのAF性能はありそうですね。
手振れ補正性能
EOS R5は世界最高8.0段の手振れ補正機能を有しています。これはα1を圧倒していますね
ソニーα1 | キヤノンEOS R5 | |
手振れ補正 | 5.5段 | 8段 |
液晶画面
EOS R5は横開きのバリアングルなのに対して、α1は上下のチルト可動式です。好みの領域ですが、バリアングルのほうが人気があるのではないでしょうか。
価格
EOS R5で「高い!」と思ったのが印象が変わってきましたね。
EOS R5はα1の約半額になります。
まとめ
画質面、AF、連写性能、ファインダー、インターフェース面など多くの項目でα1が優れた機能を搭載で登場しています。
一方で、EOS R5は、暗所での性能や手振れ補正などの点に関してα1に対して優位にはありますが、多くの点でα1の後塵を拝した形にはなったような印象です。
α1の実機レビューの詳報も待たれます。
最後に、スぺック比較表を載せておきますが、ソニーが本気出したカメラということで、その点はリスペクトしたいと思います。以下のツイートはその通りだと思ったので貼っておきます。
このカメラはSONYの会社としての意地、エンジニアとしての意地を提示したって感じだよね。
— なっとりぶ / Nat-Riv (@NqtR1v) January 26, 2021
この機能がいるとかいらないとかそういう話じゃない気がする。
エンジニアを目指す端くれとしてはこういう製品はすごく好き。#α1
ソニーα1 | キヤノンEOS R5 | |
センサーサイズ | フルサイズ | フルサイズ |
センタータイプ | 積層型 | 表面 |
画素数 | 5010万画素 | 4500万画素 |
画像処理エンジン | BIONZ XR | DIGIC X |
記録メディア |
SD XC UHS-II/ CFexpress type A |
SD UHS-II/ CFexpress type B |
メディアスロット | 2 | 2 |
ISO感度 静止画 | ISO100~32000 | ISO100~51200 |
ISO感度 動画 | ISO100~32000 | ISO100~25600 |
拡張ISO感度 | ISO50~102400 | ISO50~102400 |
フリッカーレス機能 |
対応 電子シャッター対応 |
対応 |
AF測距点 | 759点 | 1053点 |
被写体検出機能 | 人物、動物、鳥 | 人物、動物(犬、猫、鳥) |
メカシャッター | 1/8000秒~30秒 | 1/8000秒~30秒 |
電子シャッター | 1/8000秒~30秒 | 1/8000秒~30秒 |
フラッシュ同調 |
メカ~1/400秒 電子~1/200秒 |
メカ~1/200秒 |
連写性能 (AF/AE追従) |
~30コマ/秒(電子) ~10コマ/秒(メカ) |
~20コマ/秒(電子) ~12コマ/秒(メカ) |
連写時LV性能 | ブラックアウトフリー | 再生view |
手振れ補正 | 5.5段 | 8段 |
ファインダー解像度 | 944万ドット | 576万ドット |
アイポイント | 約25㎜ | 約23mm |
ファインダー倍率 | 約0.90倍 | 0.76倍 |
フレームレート | 60/120/240fps | 60/120fps |
液晶モニター解像度 | 144 | 210 |
液晶モニター可動方式 | チルト | バリアングル |
タッチ対応 | 〇 | 〇 |
8K動画 | 〇 | 〇 |
4K動画 | 〇 | 〇 |
連続撮影時間(8K) | 30分(以上) | 20分(8K) |
LAN端子 | 〇 | ー |
HDMI端子 | Type-A | Type-D |
撮影可能枚数 |
430枚EVF 530枚LCD |
約350枚 |
ボディサイズ | 128.9/96.9/80.8 | 138/97.5/88 |
質量(ボディのみ) | 652g | 650g |
では、また。参考になった点があればうれしいです。