・ニコンのD780はD750からどんな機能が進化したの?
・ニコンやソニー、キヤノンなどから出ている最新ミラーレス一眼と比べて、どう違うの?
という方の疑問を解消します。
■この記事のポイント ✔ 前モデルD750からの進化点 ✔ 最新のミラーレス機と比べて、優位な点 ✔ 最新のミラーレス機と比べて、物足りない点 |
最新フルサイズ機能比較:D780/D750/Z6/α7Ⅲ/EOS R
本日2020年1月7日、ついにニコンから、 D750の後続機D780の国内発表がありました。
予約開始は、明後日です。
2020年1月9日10時・・・予約開始
1月24日・・・ 発売
スペック比較をみてみましょう。
赤字の部分がD780が他に対して優位なポイントです。
Nikon | Nikon | Nikon | Sony | Canon | |
D780 | D750 | Z6 | α7 III | EOS R | |
画素数 | 2450万 | 2432万 | 2450万 | 2420万 | 3030万 |
ISO感度 (拡張) |
100-51200 (50-204800) |
100-12800 (50-51200) |
100-51200 (50-204800) |
100-51200 (50-204800) |
100-40000 (50-102400) |
4K動画 | 4K/30p | Full HD/60p | 4K/30p | 4K/30p | 4K/30p |
SS | 1/8000~900秒 | 1/4000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/8000-30秒 | 1/8000~30秒 |
測距点数 (自動選択時) |
51点(ファインダー時) 273点(ライブビュー時) |
51点 | 273点 | 693点/425点 (位相差/コントラスト) |
143点 |
瞳AF | △(ライブビュー時のみ) | × | ○ | ○ | ○ |
連続撮影可能枚数 AF/AE追随 |
最高7コマ/秒 | 最高6.5コマ/秒 | 最高5.5コマ/秒 | 最高10コマ/秒 | 最高5コマ/秒 |
連写Buffer /圧縮RAW |
100コマ | 21コマ | 43コマ | 89コマ | 47コマ |
ボディ内手ブレ補正 | × | × | ○ (5.0段分) |
○ (5.0段分) |
× |
サイレント撮影 | △(ライブビュー時のみ) | × | ○ | ○ | ○ |
カードスロット | デュアル (SD×2) |
デュアル (SD×2) |
シングル | デュアル (SD×2) |
シングル |
撮影可能枚数 (ファインダー時) |
2260 | 1230 | 330 | 610 | 370 |
質量 | 約840g | 約840g | 約675g | 約650g | 約660g |
縦位置グリップ対応 | × | 〇 MB-D16 |
〇 MB-N10 |
〇 VG-C3EM |
〇 BG-E22 |
内蔵 ストロボ |
× | 〇(GN12) | × | × | × |
D780 | D750 | Z6 | α7Ⅲ | EOS R |
①前モデルD750からの進化点
D750に対して、以下が進化したポイントです。
■D750からD780へ進化したポイント
✔ 画質(最高ISO感度)
✔ 4K対応
✔ 最高速シャッター速度
✔ ライブビューでのAF速度、AFエリアなど
✔ 画質(最高ISO感度)
昨今の新製品のトレンドでは最高ISO感度51200は、もはや普通といってもいいですが、前モデルの12800から2段もアップしたのは前モデルユーザーからは高評価ですね。
一方で画素数は、業界では3000万画素が中級機レベルでもスタンダードとなってきている中で、2450万画素は落第点ではないものの、今後数年使うことを考えれば、もう少し高解像でもよかったように思います。
実際の画質の実力は、レビュー系の記事が出るのを待ちましょう。
✔ 4K対応
もはや最近では当たり前になってきていますが、Full HDから、4K動画対応になっています。
全画素読み出しのフルサイズフォーマットでの4K録画対応に加え、像面位相差AF搭載により、動画時のAFが速くなっているようです。
N-Log機能もしっかり搭載なので、動画の作品づくりが目的の方でも、本格的に使える仕様となっているようです。
✔ シャッター速度
シャッタースピードが、1/4000秒からついにNikonの中級機縛りの1/4000秒の壁を越え、D810などと同じ1/8000秒となっています。
これも、他社のフルサイズのスタンダード機でも最高シャッター速度が1/8000秒が当たり前になってきている中、上位機のみ1/8000秒とする、などといってられなくなったということかと思います。
✔ ライブビューでのAF速度やAFエリア
D780では、裏面照射型のイメージセンサーに、像面位相差AFが搭載されています。
これは、ライブビュー時のAF仕様を従来までのコントラストAFから、(像面)位相差AFとすることで、D750でも悪評の高かったライブビュー時の遅いAFの大幅な改善を意味しています。
AF測距点数は、一般的に専用の位相差AFセンサーが必要な一眼レフでは少なくミラーレスに対して不利でしたが、今回は像面位相差AFを入れることで、ライブビュー時の測距点数は、Z6相当と大きく進化しています。
✔ D750からダウングレードした点
内蔵ストロボと、縦位置グリップが非対応になりました。
ストロボが必要な場合は外付けのものを別途買うことで対応しましょう。
縦位置グリップは、そもそもスタミナが非常にもつようになったので、バッテリーパックという観点では、無くても困らないと思います。
ポートレート撮影などの縦位置での撮影を高頻度で行うプロの方などは、対応する縦位置グリップがないのは、厳しいかもしれません。
ご参考までに、以下のシステムチャートが、D780で使えるアクセサリー一覧になります。
②最新のミラーレス機と比べて、優位な点
■最新ミラーレスに対してもD780の優位ポイント
✔ 最長シャッター速度
✔ 連写Buffer
✔ スタミナ
✔ 最長シャッター速度
Z6や他社の最新モデルでも最長で30秒までしか設定できなかったシャッター速度が900秒まで可能となった点は、他社にない魅力ポイントです。
今流行りの星景写真や、川の流速をとめるような長秒での撮影を、より楽しめる仕様になっていますね
✔ 連写Buffer
コマ速は6.5コマ/秒から7コマ/秒へとわずかながら進化。
これは、ミラーレスの最新モデルの中にはスタンダード機でも10コマ/秒撮れるものもありますので、あまり優れているとはいえません。
ただ、注目は、従来連写時に21コマまでしか撮れなかった最高撮影可能枚数(連写Buffer)が100コマまでへと大幅に進化した点です。
これは、他と比べても大変高い性能となっています。
スポーツや野鳥撮影など、連写を多用される方は注目です。 D750では、3秒程度で連写が止まっていた(息切れしていた)のが、10秒以上連写が持続するのは、決定的瞬間をとらえる上で、良いですね。
✔ スタミナ
スタミナは、抜群にもちます。
D750でも1230枚撮れたところから、2260枚へとめちゃくちゃ進化。
元々のスペックでも他社のミラーレスを圧倒していたところに、さらに機能進化したので、バッテリーを気にせずとも1日(場合によっては数日)十分もつレベルになっています。
③最新のミラーレス機と比べて、物足りない点
物足りない点として、以下の3つを挙げておきます。
■最新のミラーレス機の機能と比べて、物足りない点
✔ AF測距点数
✔ 瞳AF
✔ ボディ内手振れ補正
✔ AF測距点数
像面位相差AF搭載のため、いわゆる一眼レフとミラーレスのハイブリッド的な特長をもつとはいえ、(ライブビュー時)273点のAF測距点は、α7Ⅲの (ライブビュー時)425点と比べてもまだ見劣りします。
✔ 瞳AF
ニコンの一眼レフとして初めて瞳AFに対応しました。
ただ、一眼レフのためライブビューモードのみ(ファインダーはNG)、という制限がつきます。
AFが速くなったので、D750のときよりも積極的にライブビューを使えるようになります。
ただ、ファインダーでの撮影時に瞳AFが使えない、
というのはちょっと残念ですね。
✔ ボディ内手振れ補正
ミラーレス一眼では、ボディ内手振れ補正を搭載しているものも多くなってきている中、非搭載というのは、残念なポイントではあります。
もし手振れが気になる方は、 やや高価になりますが、レンズ側で手振れ補正機能の搭載されているものを撮影時に使うようにしましょう。
まとめ
ニコンからのD780について、他社含めて出ている同スペック程度の機種との比較を以下の3つの軸で行いました。
✔ 前モデルD750からの進化点
バランスよく進化するも、一部ダウングレード
✔ 最新のミラーレス機(自社/他社)と比べて、優位な点
一眼レフの従来からの強み部分(スタミナなど)をさらに伸ばしてきた
✔ 最新のミラーレス機の機能と比べて、物足りない点
連写コマ速やAFエリアなどの機能。一眼レフ中級機の限界か
参考になりましたら幸いです。
では。