大坂なおみ選手がテニスの全豪オープンで優勝。優勝に伴う関連銘柄: 日清食品、シチズン時計はどうか?

私もテニスをしているので、大変関心をもって見ていたのですが、28日大坂なおみ選手がテニスの全豪オープンで優勝し、18年の全米優勝に引き続き4大大会2大会連続優勝となりました。

これにより、世界ランキング1位となったのは、ただ単純にすごいの一言です。

優勝の賞金は410万豪ドル(約3億3000万円)とこちらもため息が出ますね。

ちなみに余談ですが、全豪オープンはこれまで他の四大大会より格下とされてきたところはありますが、日経記事(1/29付)によると、中国を中心としたアジアマネーの流入により、5年前と比べても優勝賞金は55%増となり、ビジネス規模では全仏などに引けを取らない大会になってきているようです。

大坂選手が優勝した全豪オープンは観客動員と賞金総額ともに過去最高を記録。中国を中心としたアジアマネーが大会の拡大をもたらしている。

(途中略)

最近は中国のスポンサーが加わり、中国への放映権を巡っても巨額のマネーが動く。他の四大大会に比べ、全豪は中国とは時差が少なく、テレビの本国のゴールデンタイムにメインの試合を放送できるメリットがある。中国企業にとっては、世界の富裕層に人気の高いテニスは国際的なブランド構築にも近いなど広告宣伝効果は大きい。(関連記事: 日経記事1/29付)

さて、大坂選手の優勝により、関連する銘柄について調べてみたいと思います。

日清食品ホールディングス

カップヌードルでおなじみの日清食品ホールディングスは、大坂なおみ選手の所属するスポンサー企業です。

以下が2014年からの同社の売上高と当期利益の推移です。

売上高は順調に伸びているものの、当期利益はやや伸び悩んでいるように見えます。

会社情報によると、国内は小分けの袋麺が好調。アジアでは中国など高付加価値のカップヌードル伸びていて売上高が伸びているようです。

一方で、工場の省人化投資による減価償却費の増加で、利益が伸びていないようです。よってこの利益の伸び悩み感は今後に向けた投資ということのようですので今後に期待できそうな銘柄ですね。

出典: 日経

さて、気になる株価は、どうでしょうか?

全体としてやや下方トレンドにある中、直近はやや上昇機運が高まっているようです。

直近の推移からは、優勝効果単体による株価上昇機運はあまり無いようです。

そういえば、今朝の日経の朝刊でも、大坂なおみ選手おめでとう、のド派手な大きな全面広告が出ていました。

ちなみに即席麺が看板商品で、男性利用者が多いイメージがある同社ですが、美容や健康への意識が高い女性を新たな顧客層として掘り起こしを図っているとのニュースがありましたのでご紹介しておきます。

日清食品ホールディングス(HD)が美容関連事業に参入する。皮膚細胞にヒアルロン酸をつくらせる機能を持つ乳酸菌を活用。1月下旬にこの乳酸菌を配合した美容ドリンクを発売するほか、乳酸菌そのものを化粧品やサプリメントの材料として企業向けに販売していく。健康・美容への意識が高い40歳以上の女性を取り込む。(出典: 1/28付)

こういった新たな試みがどう実を結ぶか、というのも今後の注視ポイントかと思います。来週2/5に決算が予定されています。

シチズン時計

シチズン時計は大坂選手を企業ブランドの広告塔である「ブランド・アンバサダー」に起用しています。

全豪オープンで試合中に身に着けオレンジ色が目を引いたモデル「エコ・ドライブ ブルートゥース」(税別7万5千円)は14日からの予約開始に対して、27日までに限定1千本の予約枠が全て埋まったとのことですが、限定1,000本という規模感には物足りなさを感じるのか、株価は特にはねるというようなことにはなっていません。

以下が売上と当期利益の推移です。

老舗企業で今はやりの成長企業というわけではないですが、売上に対して利益率も高く安定した経営という感じが伝わります。会社情報によると、時計のブランド強化、顧客層拡大へ積極路線をとっているようです。

以下が株価の推移です。1月から上昇傾向なのは一部織り込み済みということでしょうか。いずれにせよ、昨年までの下降トレンドから大きく上昇に転じています。

シチズンはスマートウオッチ強化に乗り出しており、今後のトレンドにも積極姿勢をとっています。

株価もこのあたりの今後の展開に好感している点もあるかもしれません。関連記事を以下に掲載します。

シチズン時計はウエアラブル端末を開発するヴェルト(東京・渋谷)と資本業務提携する。21日付で約3億円を出資する。スマートウオッチ関連事業の企画開発に強みを持つヴェルトの知見を生かし、腕時計を生かした独自のサービス提案につなげる。市場で先行する米アップルなどIT(情報技術)大手とは異なる路線で勢力拡大を図る。

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用し、腕時計を中心に電子機器をつなげるIoTプラットフォーム「Riiiver(リバー)」の開発と運営で提携する。リバーでは家電やスマートフォン(スマホ)と接続し、腕時計の針や文字盤に自分の好きな機能を付与できる。19年夏ごろにサービスを開始する方針で、リバー関連事業を5年間で50億円規模に育てることを目指す。(出典: 日経記事 1/21付)

アディダス・ジャパン

16日に販売を開始した大坂選手の着用ウエア「アディダス X パーレイ テニス コレクション(ADIDAS X PARLEY TENNIS COLLECTION)」が自社の電子商取引(EC)サイトで既に完売とのこと。ただアディダスジャパンは上場していないのでここでは割愛します。

ではまた。