ファンペップ(4881)が 東証マザーズに上場することが承認されたけど、どんな会社? 業績は?
という方に向けて、 ファンペップ(4881) について整理してみました。赤字の創薬系バイオベンチャーと考えるか、期待の予防ワクチン関連事業と捉えるかで評価が分かれます。
細かく見てみましょう。
■この記事のポイント 1.ファンペップ(4881)のIPO基本情報 2.ファンペップ(4881)とはどんな会社? 3.ファンペップ(4881)IPO詳細 |
1. ファンペップのIPO基本情報
ファンペップ(4881) のIPO情報についてポイントをまとめてみました。
《基本情報》
■会社名/上場市場
ファンペップ(4881) 【東証マザーズ 】
■事業内容
「機能性ペプチドを用いた医薬品などの研究開発事業」
■想定価格
820円
■上場日
12月25日(金)
■吸収金額
25.8億円
2.ファンペップ(4881) とはどんな会社?
会社の概要
大学(大阪大学)と共同研究して「機能性ペプチド」の実用化による収益化というのがビジネスモデルです。
ペプチドとは、アミノ酸がペプチド結合した分子のことをいうそうですが、会社概要を読んでも難しくてよくわかりません(笑)。
いずれにせよ、大学発の研究成果をビジネスに転用して収益化を図る構造のようです。
化粧品に関してはあのファンケルと 「マイルドクレンジングシャンプー」や「ボリュームアップシャンプー」の共同開発した実績があるようですね。
そこまで高価なシャンプーというわけでもなさそうですね。
また、2020年4月から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の制御に重要な予防ワクチン開発を行っています。
大阪大学とアンジェス株式会社との間で、同社の抗体誘導ペプチド等のペプチド技術を活用した次世代DNAワクチンの共同研究を実施しているようです。
コロナ禍で、予防ワクチン開発に成功して大化けできるか、にも注目ですね。
コロナワクチン開発関連では、積極的にリリースも出していますので、バイオ銘柄ということもあり、今後要注目です。
同社プレスリリース「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の新型ウイルス向けワクチン開発用エピトープ予測データセットとソースコードを無償公開」
その他の基本情報です。
■基本情報
設立 2013年10月。
従業員数 11名( 2020年10月末 )
平均年齢 46.6歳
平均勤続年数 4.2年
平均年間給与 841.3万円
11名と少数ですが、年間給与は800万円以上と高額ですね。
なお、ファンペップは、2019年11月18日に上場申請しましたが、同年12月2日に上場中止となっており、今回は2度めの上場承認となっています。
日経新聞の記事によると、2019年に上場申請しておきながら取り下げたのは、公開価格で引き受ける投資家が集まらなかったからのようですね。
昨年12月2日、バイオベンチャーのファンペップは同月20日の上場を中止すると発表した。会社側は「株式市場の動向などを考慮した」と説明するが、市場では、会社が望む公開価格で引き受ける投資家が集まらなかったためとみられている。
日経新聞 2020年3月6日 記事より抜粋
業績 (5年分)
2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
12月 | 12月 | 12月 | 12月 | 12月 | |
売上高(百万円) | 175 | 464 | 101 | 356 | 301 |
経常利益(百万円) | 22 | 152 | △194 | △9 | △232 |
当期純利益(百万円) | 11 | 102 | △204 | △12 | △235 |
純資産額 (百万円) | 568 | 921 | 717 | 1,166 | 931 |
1株あたりの純資産額(円) | 270,028 | 411,920 | 64 | 100 | 80 |
1株あたりの純利益(円) | 7,277 | 46,071 | △18 | △1 | △20 |
自己資本比率(%) | 92.5 | 80.7 | 83.9 | 84.7 | 91.6 |
自己資本利益率(%) | 4 | 13.7 | – | – | – |
創薬系バイオベンチャーということもあり、直近2期が利益が出ていませんし、赤字が拡大してきています。
今後どう黒字化していくのかがポイントです。
3.ファンペップ(4881) IPO詳細
IPOスケジュール
IPOスケジュール
■抽選申込期間
12月10日(木)~12月16日(水)
■当選発表日
12月17日(木)
■購入申し込み期間
12月18日(金)~12月23日(水)
■上場日
2020/12/29(火)
株主構成・ロックアップなど
大株主のベンチャーキャピタル(SBI4&5投資事業有限責任組合やNew Life Science1号投資事業有限責任組合)にロックアップがかかっていないため、相当の売圧力が最初にあり、初値の上昇を阻む圧力となりそうです。
株主名 | 比率 | ロック アップ |
---|---|---|
森下 竜一 | 13.53% | 180日間 |
平井 昭光 | 10.92% | 180日間 |
SBI4&5投資事業有限責任組合 | 7.32% | ー |
三好 稔美(社長) | 7.13% | 180日間 |
塩野義製薬(株) | 6.74% | 90日間 1.5倍 |
(有)アドバンステクノロジー | 6.15% | 180日間 |
New Life Science 1号投資事業有限責任組合 | 4.88% | ー |
(株)SOLA | 4.61% | 180日間 |
(株)レックスウェル | 4.00% | 180日間 |
(株)メディパルホールディングス | 3.66% | 90日間 1.5倍 |
幹事証券リスト
■主幹事 SBI証券
■幹事 SMBC日興証券
いちよし証券
エース証券
藍澤証券
岩井コスモ証券
東海東京証券
東洋証券
極東証券
水戸証券
4.まとめ
社会的意義の高いコロナ予防ワクチンにも関連する創薬事業を展開するファンペップ(4881)です。
購入単価も安く(約8.2万円)と個人投資家も手を出しやすい銘柄です。当選株数も3,150,600株と多く、比較的当たりやすい銘柄といえそうです。
ただ、業績が赤字になりやすい創薬系バイオベンチャーであること、投資ベンチャーのロックアップがない点から公募割れのリスクが比較的高い可能性がありそうです。
これからIPOを勉強したいという方には以下の本おすすめです。私も読みました。IPOと一口にいってもどういったIPOが高騰しやすいか、など目論見書のチェックポイントなどが理解できます。