ソニーから、α7S IIから、5年の歳月を経てついに第三世代が発表になったけど、実際4Kの動画撮影可能時間はどうなのか、その実力を知りたい。
という方に向けて疑問を解決する記事になります。
貸出し機でのプロの実機レビューでは、
・USB給電をしながら、5時間以上撮影ができた事例、
・30℃以上の環境でバッテリーが切れるまで約2時間半撮影できた事例
などがソニー公式のスペシャルコンテンツや、海外のYouTubeで報告されています。中にはオーバーヒートは存在しなかった、というレビューまであります。
一方で、Canonよりも速く熱停止したという気になるレビューもあるので、今後詳報が待たれます。
✔ 気になる4K連続動画撮影可能時間
✔ 放熱対策内容とは
【ソニー】α7S IIIついに発表。気になる4K連続動画撮影時間と熱対策は?
α7S IIIは、前のモデルであるα7S IIと比べてもかなり動画推し、特に4K 120pのスローモーションが推しであることが以下のオフィシャル動画からも伺えます。
気になる4K連続動画撮影可能時間は?
ソニーの公式リリース文によると、1時間を超える4K60p動画の記録が可能とされています。
ソニーは、最高ISO409600の高感度性能と15+ストップの広いダイナミックレンジ、高精細4K120p動画記録、精度と追従性を高めたAF性能など、撮影性能と機動性を追求した映像クリエイター向けフルサイズミラーレス一眼カメラ 『α7S III』を発売します。効率的な放熱設計やデュアルスロットを活用したリレー記録(2枚以上のメモリーカードへの連続書き込み)で、バッテリー容量を使い切るまで、1時間を超える高精細4K60p動画の記録*が可能です。
ソニー公式リリース文
*ソニー測定条件。XAVC S-I 4K 4:2:2 10bit記録、25°C(室温および録画開始時のカメラ温度)、自動電源OFF温度[高]設定、条件により撮影可能時間は変ります。
さらに、外部給電も使用しながら、ということではあるものの、α7S IIIを使用したプロの記事で、計5時間以上の撮影が可能とのコメントもソニー公式のα Universeの記事で記述があります。
今回4K120p撮影を断続的、外部給電も使用しながらとはなるものの計5時間以上行いましたが、撮影を通じてオーバーヒートは一切なく、安定した動作が続きました。
α Universe 江夏氏記事より
ではこの後、
ソニーから実機提供を受けていると思われるプロによる熱対策に対してのYouTubeレビューを紹介します。
α7S IIIの熱停止は無かったか、あっても十分な性能だったとレビューする「ポジティブ派」と「ネガティブ派」の2派にわけて整理しますが、大多数は「ポジティブ派」であることがわかります。
熱対策に対して「ポジティブ派」
以下のKai氏のレビュー動画では、自動電源OFF温度の設定を”オフ”にする事によって30℃以上の環境でバッテリーが切れるまで約2時間半4K60pの撮影が出来たと報告しています。
動画の17分25秒からです。
直射日光のもとでの実験とのことなので、結構信ぴょう性ありますね。
ただ、自動電源OFF温度 をデフォルトの”標準”(熱が上がると自動でシャットダウンする設定)設定では4K120pで18分後に熱停止したとのことなので、 自動電源OFF温度の設定がポイントのようですね。
今度は、 Matti氏のYouTubeでのレビューです。
このレビューでは、オーバーヒートは一切しなかった、4K/120pを何時間も撮影したが、一切オーバーヒートしなかったとされています。 15:11秒 からです
以下のPeter氏の動画でも、オーバーヒートは無かったと報告されています。
DPReviewでも、 オーバーヒートは一切しなかった。 問題なかったとレビューがあります。 14:10くらいからです。
Tony & Chelsea Northupでは、 オーバーヒートさせるために何時間も撮影テストをしたが、一回もオーバーヒートはしなかった、とレビューされています。
実際に、オーバーヒートが永遠にない、ということは無いのでしょうが、実使用上、かなりオーバーヒートせずに撮影時間が持続する、ということですね。
熱対策に対して「ネガティブ派」
以下のDan氏の動画では、Sonyより他社のほうが熱停止時間が長い、という気になるレビューをしています。
α7S IIIの放熱システムは気温の低い室内では有効だが、熱い屋外ではイマイチとのこと。 熱停止したのがSonyが早く、その後Canon、Panasonicという順番であるようです。
ただ、α7S IIIは自動電源OFF温度を”高”ではなく”標準”でテストされているようなので、α7S IIIの本当の実力とは限らないかもです。
以下のThe Blind Men and An Elepahnt Productionsでは、 華氏84°(摂氏29°)日に4K24p long GOP(インターフレームモード)で撮影中に23分でシャットダウンした、とレビューがあります。
3分間、エアコンの横で、冷やしたところ、問題なく撮影可能な状態に復帰したとあるので、少しの冷却時間での復帰はできるようですね。
気になる放熱対策内容とは
4K60pで1時間以上撮影できる理由としては、放熱効率をあげた新開発の構造によるもののようです。
デジカメWatchが、ソニーに聞いた一問一答という記事で、その理由を以下のように記載しています。
スマートフォン等にも用いられる熱伝導性に優れたグラファイト素材を、ソニー独自の「Σ(シグマ)形状」に加工し手ブレ補正ユニットに組み込んでいます。この画期的な新開発構造により、手ブレ補正時のイメージセンサーユニットの円滑な動作を妨げることなく、本体内の温度上昇の主要因となるイメージセンサーからの発熱に対し、従来機「α7S II」比で約5倍の放熱効果を得ることに成功しました。
デジカメWatch ソニーに聞いた「α7S III」一問一答(その2)
構造以外にも、記事によるとイメージセンサーから画像処理エンジン、各種回路設計すべてにおいて細やかな制御を行うことで、低消費電力を実現しているようですね。
まとめ
撮影環境によっても大きく異なるのが、動画の連続撮影可能時間です。
α7S IIIは公式リリースのとおり、バッテリー使用では1時間以上は、海外のレビュー動画からも、どうやら実力として捉えて問題なさそうな印象です。
また、USB給電をしながらの撮影では、1時間を大幅に超える撮影ができた事例が報告されているので、インタビューなどの長時間撮影での仕事でも問題なく、対応できそうですね。
一方で、早くオーバーヒートしたという気になるレビューも一部あります。
まだ一部のプロしかレビューされていないので、発売後の多くの方による実機レビューの詳報が待たれます。