OM SYSTEMから、フラグシップ機『OM-1』が発売になったけど、Panasonicの『GH6』と何が違うか主な仕様の違いを知りたい
という方に向けた記事になります。OLYMPUSのロゴを使える最後の機種ともいわれているOM SYSTEM のフラグシップ機『OM-1』とPanasonicのGシリーズのハイエンド機種『GH6』。
どちらの性能がどうなのか、整理してみます。
記事のポイント
『OM-1』と『GH6』の違いは以下のxつ
違い1. 静止画画質性能(解像/感度)
違い2.AF性能
違い3.連写性能
違い4. 動画性能
【どっち!?】OM SYSTEM 『OM-1』とPanasonic 『GH6』
静止画画質性能
解像性能
両機種ともに、最新のイメージセンサー搭載になっていますが、解像度の点では、『GH6』のほうがカタログスペック上は、上です。また、ローパスフィルターレス仕様となっていることから、より解像感重視の設計思想ではありますが、Dpreviewのレビューでは、両者ほぼ同等に見えます。
■解像度
『OM-1』
‐ 2037万画素
– クアッドベイヤー構造の裏面照射積層型センサー
『GH6』
– 2521万画素
– Live MOSセンサー
以下がDpreviewのスタジオでの評価結果です。
トランプのあたりで両者を比較してみてみると、ほぼ同等ですね。
次に、髪の毛あたりでの比較したものを見てみましょう。
この髪の毛の部分でももほぼ同等ですね。
感度性能
次に感度性能について比較してみましょう。
カタログスペック上は、常用では、感度性能は同じですが、拡張領域では『OM-1』のほうが優れているという結果になっています。
DPreviewの結果でも『OM-1』のほうが高感度での画質が高いように見えます。
ISO | OM-1 | GH6 |
---|---|---|
常用 | 100-25600 | 200-25600 |
拡張 | 80-102400 | 50-25600 |
動画 | 200-12800 | 50-12800 |
上で見たDPreviewのスタジオでのレビューで、高ISO感度(6400)での結果は、以下です。
高感度では、『OM-1』のほうがノイズが少なく解像感が残っているように見えますね。
クアッドベイヤー構造は、高感度耐性上げるために4画素を1センサーとして使用する技術とされていますので、その効果が出ているのかもしれません。
ただ、DPreviewでは、ハイレゾなどではGH6のほうが優れているとコメントされています。
画質について:高感度の画質はJPEGでは『OM-1』が『GH6』よりも優れている。
DPreview TV
25MPのGH6は20MPのOM-1よりもディテールに優れるが、手持ちハイレゾは100MPのGH6が50MPのOM-1よりも画質が大幅に優れており、動いてる部分の処理も『GH6』の方が優れている。ハイレゾは三脚モードでもGH6の方が上回っている。
AF性能
AF方式は、最近はやりの被写体認識性能が大幅に向上していると謳われている点は、両モデル共通ですが、フォーカスシステムの違いが、どのくらい性能に影響が出ているのか、が注目ポイントです。
ただ、フォーカス方式的には、位相差AFのほうが動体撮影には有利とされていることから、AFでは『OM-1』のほうが一歩リードと考えるのが妥当です。
■AF性能
『OM-1』
– 1053点オールクロス像面位相差AF(クアッドピクセルAF)
『GH6』
– コントラストAF
『GH6』は、被写体の検出性能が従来機『GH5』の約3倍と大幅に進化し、フォーカス性能全般が向上としていますが、やはりコントラストAF特有のウォブリングがクリティカルなデメリットとして海外レビュワーは語っています。
一方で、すでに前モデルから使っていたユーザーからは、かなりの改善がなされているとの報告もあります。
またGH6のAFチェック。今回はウォブリングを中心に背景が細かいものを中心に撮影してみました。
— おーとふぉーかす@ブログと動画編集でメシを食う (@sonycameralove) April 9, 2022
コントラストAFで避けられないウォブリングはGH6でもやはり発生しています。でもかなり目立たなくなってきているので、ソニーのファストハイブリッドAFとどっちが良いかと言われるとうーん🤔って感じ。 pic.twitter.com/QNXQr4u8Xf
静止画軸でも、AFは性能が上がっているようですので、自身の被写体に合わせて一度試してみる価値はありそうですね。
いやぁ … G9のAFでこれは撮れなかった。被写体が小さ過ぎて容易に背景に埋もれてしまう。GH6はフォーカスリミッターで背景を切り離せばAFで捉えてしまう。#GH6 pic.twitter.com/FWyIBLkBVe
— 羽右衛門 (@uemon_jp) April 12, 2022
『OM-1』は、鳥撮影でその被写体認識精度の高さと相まって歩留まり向上に大きく貢献したような口コミが多いですが、一部のシーン(逆光など)での問題などが上がっています。
遠くで飛んでいるアオサギに鳥認識AFが反応する事も OM SYSTEM OM-1 + LUMIX 45-175mm F4.0-5.6 pic.twitter.com/VIPNyigTme
— デジカメライフ (@digicame_life) April 16, 2022
OM SYSTEM OM-1
— とるなら (@FukuiAsobiWeb) April 11, 2022
逆光・水飛沫・低照度など
AFがやや厳しめのシーンでピントの山を掴み損ねる場面あり。フォーカスブリージングが強めのレンズで多いような気がする pic.twitter.com/0syLlcF24P
連写性能
連写性能は、カタログスペック上は、『OM-1』の圧勝です。新方式のイメージセンサーによる貢献もあり、圧倒的な性能を得ています。
■連写性能 ※いずれも電子シャッター時
『OM-1』
– 120 fps (1コマ目ピント固定)
– 50 fps (AFAE追従)
『GH6』
– 14 fps (1コマ目ピント固定)
– 7 fps(AFAE追従)
ただし、『OM-1』の50fps(AF/AE追従)に対応するレンズは以下の6本に現時点では限定されている点には注意必要です。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO Ⅱ
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-400mm F4.5 TC 1.25x IS PRO
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO
それにしても、『OM-1』では、50コマもAF追従で連写できるとなると、撮り逃しはほぼなくなりますね。
そうですね。
ただ、最大撮影可能枚数は50fps時はJPEGで97枚のため、撮影可能時間は約1.5秒間に限られる、という点には注意必要です。
メディアタイプがCFカードではなく、SDカードのまま、ということで連写時のバッファーはあともう一歩というところなのですね。
動画性能
動画の領域では、『GH6』の圧勝です。
ただ、両モデルともセンサークロップ無し、かつ記録時間無制限での4K 60p対応のため、『OM-1』も十分動画性能が進化したといえます。
『GH6』は、5.7Kなどの高解像や4K 120p対応、Prores対応など、さらにこだわり動画性能を誇ります。
OM-1 | GH6 | |
動画画質 5.7K | (非対応) | 最大 60p |
アナモフィック (4:3) | (非対応) | 5.8K 30p 4.4K 60p |
4K / DCI (4096×2160) | 最大 60p | 最大 120p |
サンプリング 10-bit 4:2:2 | 最大 4K 60p | 最大 4K 60p |
10-bit 4:2:0 | (非対応) | 最大 4K 120p 5.7K 60p |
ビットレート (最大)/ 圧縮方式 | 202Mbps/ LongGOP | 800Mbps/ ALL-I 1900Mbps/ Prores |
コーデック | H.264 H.265 | H.264 H.265 Prores 422 Prores 422 HQ |
12-bit RAW (HDMI) | 対応 | 対応 |
ISO (動画時) | 200 25600 | 100 12800 |
High Speed Recording (1080p) | 240fps | 300fps |
動画記録時間制限 | 無し | 無し |
上記には記載の無い動画撮影機能も、
『GH6』 はLUTビューアシスト、HLGビューアシスト、波形モニタ、ベクトルスコープ、空冷ファン、ダイナミックレンジブースト機能など、『OM-1』には無い多彩な機能が多く搭載されています。
まじか…美しい…GH6ヤバいな。
— Tomohiro Ota (@tomoawawawa) February 23, 2022
ハイライトのロールオフ美しい。ほんちゃんV-logとダイナミックレンジブーストのおかげ?
動画カメラとしてSシリーズを凌駕する機能が多く、完璧にかなり近い?従来のm4/3の限界を超えてきた。
欠点は逆光時のAFくらいしか思い浮かばない、、、。
買うしかないかも… https://t.co/pRJgDadK6f pic.twitter.com/uPhcOd72b2
その他
『GH6』で、ProResで動画撮影するなどする場合は、大容量のメディアが必要になります。そういった場合は、CFカードType Bの購入は必要ですね
そうですね。加えて、高速連写時にRAWで途中で息切れせず撮りたいという方もCFカード購入を検討することになるとおもいます。
参考:
【H/M/L】 注)CFexpress Type Bカード使用時
RAW+JPEG連写:40コマ以上、40コマ以上 (速度が遅くなるまで、当社測定条件による)
RAW連写:65コマ以上、50コマ以上 (速度が遅くなるまで、当社測定条件による)
JPEG連写:95コマ以上、90コマ以上 (速度が遅くなるまで、当社測定条件による)
以下が、公式ライブ配信時に公表されている対応が公式発表されているCFカードです。Lexar, ProGrade、SanDisk, SONYが動作検証されているものになります。
CFexpress Type Bカードは各社から出ていますが、高価なものでもあるため、動作検証がとれている確かなものを購入するのが良いです。
まとめ
記事のポイント
『OM-1』と『GH-6』の違いは以下。
違い1.静止画画質性能 ➡ 解像性能互角。感度性能は『OM-1』がやや上か
違い2.AF性能 ➡ 『OM-1』はオールクロス像面位相差AFで圧倒。『GH-6もを従来機からは大幅進化
違い3.連写性能 ➡ 『OM-1』は50fps AF追従と圧倒
違い4.動画性能 ➡ 『GH-6』がプロ仕様を備え『OM-1』に対して圧倒
両者、細かい仕様ではそれぞれ違いがあるものの、いずれも従来機からは大幅進化であることは間違いなさそうです。
『OM-1』は静止画メイン、『GH-6』は動画メインというには割り切れないほどの進化を静止画、動画の両面でしている点は間違いありません。