東証1部上場「内部昇格」7割超える 基準の緩さ映す、という記事(3月10日)を読んで

東証1部の企業数が、2部やマザーズ経由で上場する「内部昇格」で押し上げられているとの記事を読みました。

2011年以降では内部昇格が7割超にのぼるということですが、2部・マザーズ経由だと1部への上場基準が大幅に緩くなるそうで、内部昇格企業は時価総額や売買代金でダイレクトに上場する企業とは大きく見劣りするようです。

私は田舎の公立だったのでわかりかねますが、私立の中高大一貫の内部進学のようなものだと思えばいいのでしょうか。

 

2部・マザーズ上場から1部昇格までにかかった期間を東証が13~17年を対象に調べたところ、「1年以上、2年未満」が6割と過半を占めた。企業の質や体力を抜本的に高めるには限られた期間だといえる。モバイル端末向けゲームの開発を主力とするエイチームのように、マザーズ上場後約7カ月で1部に移った例もある。

内部昇格した企業は時価総額や売買代金で見劣りする。直接上場した企業の平均時価総額(18年末値)は3492億円。これに対して内部昇格は408億円と約1割の規模しかない。売買代金(18年合計)でみても、直接上場は2378億円ある一方、内部昇格は847億円と4割弱の水準にとどまる。

出典:日経記事3月10日

 

どこの企業も知名度が高く、社員の採用などでも有利になる1部をめざすのは当然としても、2部・マザーズからの内部昇格ルートを選ぶほうが容易だからという理由で抜け道のように1部に容易にあがってしまう、というのが事実であるならば東証が早くルールを改定すべきとおもいます。

 また、「日本最高の市場」にしては小粒企業ばかり、ということになれば、海外の投資マネーが日本株を敬遠する要因にもなりかねません。

記事によると、日本の1部企業の時価総額の中央値はニューヨーク市場の約4分の1、ロンドン市場の半分以下にとどまるという見方もあるようですので、正しく海外の投資マネーを引き込む上でもよく議論しルールを改める必要があるとおもいます。

では

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